ちょうど1年前、MicrosoftはWindows VistaとOffice 2007の出荷を睨み、業務使用で即戦力とすべく「People-Ready Business」構想を発表した。CEOのSteve Ballmer氏(写真)はこのキャンペーンで①「統合コミュニケーションとコラボレーション-Unified Communications and Collaboration」、②「企業向け検索-Enterprise Search」、③「モバイル・ワーカ-Mobile Work Force」、④「ビジネス・インテリジェンス-Business Intelligence」、⑤「顧客管理-Customer Relationship Management」、⑥「インフラストラクチャ-Infrastructure」の6つの分野が焦点になると説明。
当初、このPeople-ReadyもいつものMicrosoftのキャンペーンと同種のものと思われたが、その後の動きは異なっていた。まず、同社は、昨年夏(7/18)、通信大手のNortelと彼らのネットワーク技術や製品とMicrosoftのソフトウェアを融合する提携を発表。同年、冬(11/2)にはNovellとの間でWindowsとLinuxの相互運用性向上、HPとのソフトウェア・ポートフォリオ相互補完提携(12/14)、今年3月末(3/28)にはEMCとネットワークの管理技術と矢継ぎ早に大型提携を実行した。
これらの提携を詳しく見てみよう。
Nortelとの提携後半年たって発表(1/17)されたロードマップでは、3種類の製品統合と10種以上のサービス提供が決まり、両社合同のデモンストレーション・センタを全世界に20ヶ所以上に新設する。即ち、コミュニケーション分野に精通し、十分な実績を持つNortelと提携することで、Microsoftは本格的にこの分野にかれらのサービス力を利用しながら進出し、大型でより専門性の高い製品はNortelから、小型はMicrosoftが担当するという共同作戦に出たわけである。
このようにみると、Microsoftが進めてきた一連の大型提携の意味するところは大きい。 これはまさに企業大連合であり、Windows VistaとWindows Server 2008が作り出す世界が今までとは大きく異なることを意味する。つまりMicrosoftは自社だけでは出来ない領域を各業界のリーダ企業と組んで製品やサービスを拡充し、企業IT部門の要求に応える。言い換えれば、IT部門がやっていたことをMicrosoftが代わって、関連各社と提携、そして互換性や拡張性を保障した製品やサービスを提供する。どのベンダも試みなかったこの戦略がどのように機能するか目が離せない。
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